英語を社内で公用語化したらどんなことが起きるのか?
英語を社内で公用語化したらどんなことが起きるのか?
過去にユニクロや楽天が相次いで「英語社内公用語化」を宣言したことがありました。
その後、目立ってそのような方針を打ち出す企業はそこまで増えた印象はありませんが、これは先んじた企業の「英語公用語化」があまりうまくいかなかったのでしょうか?
ユニクロも楽天もぐんぐん伸びてグローバルに業績を伸ばしていますので、社員のみなさんが優秀な方たちということはいえそうです。
私の考えは以下のツイートのとおりで、勉強する気のない人を減らすことに成功したのだと考えます。
TOEICブームだった2000年代は会社で強制的に全員受験させたり昇進試験に設定されてたりしていた。
— ヒロキ🍀 (@hirokionline) 2019年9月2日
近年はコスト削減で社内TOEICがなくなりそのまま昇進条件からも消えたケースが多いのだとか。
確かにTOEICだけで英語力は測れないけど社会人になっても真面目に勉強する人かどうかは測定出来ますよ。
深掘りしていきますね。
英語を公用語化する企業はTOEICを基準にしている
楽天は英語公用語化を掲げた際に、800点取れない役員はクビ、社員も700点レベルを求めるという話がありました。
当時、450点くらいだった社員の方が数ヶ月で700点を求められたわけです。
なかなか厳しいチャレンジですよね。
あの楽天でも「英語公用語化」の際に基準にしたのがTOEICというのが興味深いところです。
いくらでもオリジナルの英語学習プログラムとか作れたでしょうし、英語ペラペラの三木谷さんからしたら、TOEICが出来たからって英語が話せるわけじゃないというのはよく分かっていたはずです。
一方のユニクロも同様に社員にTOEIC700点という目標をかして、英語公用語化を進めました。
楽天もユニクロも「英語公用語化」にあたってTOEICを活用したのはどのようなねらいがあったのでしょうか?
TOEICは社員にも世間にも分かりやすい目標になる
「英語公用語化」といっても具体的に何するの? という疑問がついてまわります。
グローバル企業なら資料や外国籍の社員がいる場はすでに英語で仕事がすすんでいるでしょうから、日本人どうしの電話やメールも英語でやるの? という話です。
そこまで出来たら理想だけど、確実に最初はスピードダウンするし、間違いも起きますよね。それにそもそも常に外国語で生活するなんて疲れるし、ストレスです。
そこでまず何をするのか? という質問に「TOEIC700点とれ!」は分かりやすいメッセージになります。
どのくらいのレベルを会社が社員に求めているかも分かりますし、現在の自分の実力との差も確認しやすいです。
個人が「社内英語公用語化」を自分ごとに落とし込むにはTOEICの世の中への浸透具合はどんな企業にとっても使いやすいものでした。
また「英語公用語化」といっても社外の人は「ふーん、そうですか」で終わる人も多いです。
人ごとだからです。
これが「全社員TOEIC700点!」となると急に実感が湧いて「もしかしたら自分の会社も?」と気になります。
世の中の人が気になることは、ニュースになります。
ニュースになると企業にとっては無料の広告宣伝となって知名度をあげることができます。
楽天やユニクロの「英語公用語化宣言」は広告キャンペーンとして大成功だったのです。
TOEICは頑張ればスコアがあがる難易度の低い英語試験だった
TOEIC700点というのはなかなか絶妙な設定で、どんなに英語が苦手な人でも、例えば一年くらい毎日少しずつでも勉強すれば達成不可能ではないレベルです。
英検準一級とか、TOEFLとか、IELTSとかですと難易度が高いので初めから何をどうしてよいか分からず混乱と反発が先にきます。
TOEICに関していうと多くの社員が過去に一度くらいは受けたことがあって、700点がどれくらいかイメージ出来るものでした。
この「イメージ」というのは楽天やユニクロに入社するくらいの人材なら、「まだ足りないけど、本気で勉強すれば無理ではないスコア」という感じだったに違いありません。
目標を「全員が全ての仕事を英語でやる」という全体の状態に設定していたなら、どれだけ自分が頑張っても他の誰かがついてこれないと成立しないなと逃げ道が出来ます。
それが個人の目標となったら、達成していないとサボったことになる、みんな達成したときに自分だけできてないとダサいといった個人レベルの目標にリアルに落とし込むことが出来たのです。
それくらいTOEICは英語の試験としては比較的易しい、努力でスコアをあげられることがイメージしやすいものだったのです。
TOEICの勉強もしない社員は仕事でも努力できない
楽天くらいの会社になると、採用時点で確実に人を選んでいますから、それは選ばれし超優秀な方が入っています。
ですから努力さえすればTOEIC700点はいける人たちが集まっている会社です。
そんな状態でも「英語公用語化なんて、こんなバカげた施策に自分は乗るつもりがない!」とか「いくら会社が英語公用語化といったって、そんなことやってる暇ないから自分は参加しない」みたいな人も一定数でるでしょう。
人一倍優秀で、プライドも高いからこそそうなることは自然です。
そんな人たちをふるいにかけて、合わない人はやめてくださいというのが究極的なねらいであったのではないかと考えています。
今の楽天やユニクロにいる人は、社内の英語公用語化に賛成派で、目標達成した人たちということになります。
全員で一つステージをあげて、一段と結束力も高まっていることでしょう。
一度でも大きな目標をみんなで達成した組織はその後の絆やチームワークの強さは本物です。
もちろん辞めた社員の方もどこか別の環境で活躍されているでしょうから、英語公用語化で、自分に合わない組織であったと判断できたのは良い面もあります。
こうして自社に考えが近く、自社の目標に向けて努力できる人をスクリーニングしていく効果として、社内公用語化にTOEICを掛け合わせたのは間違いなく正解だったと考えます。
英語公用語化とTOEICまとめブログ
私の勤める組織では英語は公用語化されていません。
TOEICも管理職試験を受けるのに450点とか恐ろしく低い設定で、あってないようなものです。
TOEICでなくてもいいのですが、真面目に努力できる人かどうかを選ぶ物差しというのは案外大事で、それは日本のサラリーマンは入社さえすればサボり倒してもクビになったり、給料半分になったりしないからです。
私がTOEIC900点を目指すのは、いつか必ず社内のTOEIC目標を800点にして、ダメなおじさんをふるいにかけたいという思いがあるからです。
TOEICの勉強、楽しく頑張りましょう!