「お金もらってるんだから、給料払ってるんだから働け」という上司の危うさ
「お金もらってるんだから、給料払ってるんだから働け」という上司の危うさ
50代の部長さんくらいになると、「お金もらってるんだからちゃんと仕事しろよ」「給料払ってるんだから言うこと聞けよ」という感じの言葉を不用意に発する人いますよね。
でも思えば自分が新入社員だったのが15年前なので、今の50代ってあの頃に30代後半だった人なんですよね。
今の私の年齢と同じくらいの30代のころ、すでにバブル崩壊してて、私のようにさっさと会社辞めて転職とかしちゃう社員はいたし、お金で人が動かなくなってかなりたつのを実感してないとおかしいのに、なんでかなと不思議です。
そういうおじさんたちを観察していて分かったことは、報酬を理由にして人を動かそうとする人は「それ以外のマネジメント方法を見つけられなかった人」ということなんです。
部下が言うこと聞かないという人は「給料もらってるんだから」「お金払ってるんだから」という
そもそも部下が「言うこと聞かない」なんて言い方はおかしいですよね。
なぜ自分が正しいという立ち位置から話すのか。
自分と相手は別人で、考え方に違いがあるのが当然のことで、その違いを認めて、必要なら分かり合えなくても近づく努力はしないといけないです。
そういう当たり前の努力をしないで、「部下は上司の言うことを聞くものだ」なんて人はもうかなり出遅れています。
優秀だから上司になれたのではなくて、たまたまラッキーで、年齢がちょうど良かったから上司になれただけです。
それを勘違いして偉そうに威張っている人は本当に何も考えないで30代から50代になってしまったのだろうも可哀想な感じもします。
「お金払ってるんだから」「給料払ってるんだから」と考える人はそのくらいの仕事しかしていない
人を動かそうと思ったら、確かにお金はかなり小さくない重要ファクターにはなります。
ですが報酬というのはそれ(お金)だけではなく、褒められるとか、認められるとか、やりたい仕事をさせてくれるとか、そういういろんな要素で成り立つものです。
そして人を動かす方法は、報酬以外にも尊敬だったり、面白さだったりといろんな工夫でできることがあるのです。
確かに報酬は正当な評価なので、罵倒したり恫喝して、恐怖で動かすマネジメントよりはマシですが、マシというだけで、良いとは言えません。
仕事をお金と繋げて話す上司は、いつもその程度の次元のことしか考えていないので、そんなコメントがでるのです。
「お金もらってるんだから」というのはしがみつくしかない上司
想像力欠落上司には「今以上の給料を、自分が転写して他の仕事で稼ぐことは不可能と察知する力」があります。
かつての日本の大企業の幻想が残る人は、長く勤めることで徐々に給料はあがり、特にキャリアの後半にその額は伸びていく、そして退職金の加算率が積み上がるのです。
50代で退職金を半額にしてでも、転職して新しいキャリアにチャレンジ出来る人は少ないです。
その事実はその人の事実なのであって、その人の部下の事実ではありません。
年齢で給料は上がらなくなっているし、昇進のスピードも緩やかになっています。
一方で転職市場は盛り上がっていて、古臭い制度の残る大企業よりも、ベンチャーなら早々と高給を得られることがあります。
「お金もらってるんだから働け」というのは、「もっとお金くれるとこにいきますね」と言わせているようなものです。
他所にいけないような部下なら、育成不足だし、部下として戦力にならないのでどちらにしても組織としては終わっています。
面白さをつくる、お金払ってでも働きたいという概念の欠落
そんなこと言ったってどうすりゃいいの? って泣きべそかかないでね、50代なんだから。笑)
怒らないマネジメントが出来る人なら、次は褒めるマネジメントができます。
褒めるマネジメントが出来る人なら、楽しませるマネジメントが出来ます。
仕事が楽しいなんてダメだ! 仕事は苦しくないと無意味だというのは違います。
人は楽しいことが見えていたら、そこにいくまで苦しい努力が出来るのです。
何もないのにただただ苦しい我慢を強いるのは暴力マネジメントです。
楽しい仕事をデザインするのがこれからのマネジメントです。プラモデル、ジグソーパズル、バーベキューのノリです。お金を払って労働をするのが未来の働き方です。
古臭い上司のまとめブログ
理想論を振りかざしているつもりはなくて、本当にあと5年もすれば、楽しい仕事マネジメントが出来ていないと生き残れないです。
今の学生さんは在学中にYouTubeで軽々とおじさんたちの給料を超えてきます。個人ですでに稼ぐ力を持ち合わせています。
この人たちは楽しくないと働きません。とてもとても当たり前の状態になったわけです。
古臭い大企業に来る人たちは今にも増して思考停止民族の可能性が高いので組織の発展は見込めません。
報酬マネジメントは早々と見切りをつけましょう。