「残業=頑張っている」は本当か?
「残業=頑張っている」は本当か?
成果主義とか言われだしてからもう15年とか20年とか経っていますが、それでもなかなか変わりませんよね。
働き方改革で残業を減らそうとか言っても、無理やりノー残業デーを取り入れて、他の日の残業が増えたり、持ち帰ってサービス残業してる人がいます。
ここで難しいことに、残業が悪みたいになっていますけど、仕事をすることが悪いわけがなくて、残業して不健康になったり、無駄なコストがかかるのがわるいのです。
ですから健康で成果出す人が、残業してますます成果を出すのはその人と組織には良いことです。
悪いのはそういう人を「頑張って成果を出している人」としないで、「頑張って残業している人」という捉え方をすることです。
現代も残業をしている人は頑張っているとみられる
超絶ブラック企業や、バブル時代の昭和上司の場合、時間をかけて仕事をすることと、利益を上げることは同じでした。
決まったことをやればやるだけ儲かったというのは事実です。あの不思議な時代だけのラッキーパンチなのですが、それしか知らない人たちは染み付いていますし、新しいことも学びません。
そうなるとマネジメントもモーレツに長時間働くことは組織に貢献していることとなるので、夜中まで仕事することを頑張っているという評価をします。
かなりこの20年で変わりましたが、短時間で成果を出す人が正しく評価されているかというと、そういう人はその分仕事が増えていますし、超スピードで仕事を終わらせても毎日午前中に帰れるかというとそういう風にはなっていません。
いざという時には多少残業してでもその日に仕上げる人が助かるし、毎日定時きっかりに出て行く人よりも、なんやかんやで30分から1時間くらいは残って「手伝えることありませんか」みたいな気の利く人が評価されます。
これはやはり長時間残業はダメだけど、残業で頑張っている人もいるから、空気読まないとねというカルチャーからくるものです。
残業していても仕事していない人はバレている
残業してようがしていまいが仕事をしている人はしているし、していない人はしていません。
その辺は見ていれば新入社員でも分かるし、本人も仕事してないことバレてるだろうなと感づいているはずです。
そういう残業代を稼ぐ目的でダラダラしている人や、年齢だけで管理職になってしまって、残業代も出ないものの、家で居場所もないのでやはりダラダラと職場にいるという人が一定数存在します。
周囲はそんな人まで残業して頑張っているとはみていませんが、そんな人がいるからこそ、日常からバリバリ働いている人が、さらに残業までしていると頑張っていると見られてしまうのです。
そういう意味で、仕事してない残業と仕事している残業はある程度どんな人でも見極めがつくようになってきている印象です。
部課長の残業をどうみるか?
課長が定時間際に部下に仕事をふって「今日中に終わらせて」とかなるのはクズですが、部課長が頑張ってその日に終わらせるのはカッチョいい姿でもあります。
40代後半くらいの微妙な世代でこの辺の考え方が割れているように感じています。
40代でもプライベート重視派の人はいて、颯爽と仕事を終わらせて気持ちよく帰って行く人がいます。部下からの尊敬もすごいです。
ただこういう人は一部でやっかみの対象になります。
同世代にモーレツ単身赴任上等毎晩深夜残業宴会付きタイプとが生き残っていて、同じようにしっかりと成果を出しているからです。
こういう場合は残業=頑張っているとなりがちなのです。
若手は早く仕事を終わらせた方が優秀であるとみられるようになってきました。
管理職は早く仕事を終わらせるのは当たり前で、そこでさらにやれるかというところがまだあります。
というかその頑張りがあるから利益が出ているとか、その頑張りなくしては組織の存続はないというリアルな事実もあるからです。
そういう意味で経営者に残業の概念が無いように、役員まで目指すような管理職には残業の概念などありえないという空気感があり、それを若手もわかっているので、間接的にも残業は頑張っているという刷り込みは行われています。
残業は頑張っているが、一番頑張っているわけではない
不健康な残業を指示するマネジメントはアウトです。
健康でモリモリ残業するのは、頑張っているので偉いです。
でも健康でモリモリ頑張って、残業なく仕事を終わらせて、プライベートも充実させつつ、自己啓発なり、ネットワーク構築なりに頑張っているのがイケてる働き方です。
組織の短期的な利益のためにモリモリ頑張っている人は尊いのですが、その人も組織も長続きはしません。
いつかその方法では立ち行かなくなるので、さらに長期戦を見据えてシフトチェンジしていくことが、真の頑張りです。
健康でバリバリ残業できる人は、そのパワーを少しずつ後輩の育成に使うなり、家族との充実した生活に使うなり、副業に使うなりして、自分の働き方で組織をリードする姿勢をみせないといけません。
若い人が「自分はとてもできないけど、あの先輩は毎日バリバリ成果だして残業して、組織に貢献してすごいな」となっているのは黄色信号です。
そこまで出来るレベルの高い人はさらに新しい領域までいけるし、その姿を見せられるはずです。
その姿を見せないと若い人はいつまでも残業は頑張っているという価値観から逃れられません。
まとめ
残業している人が頑張っているというのは人によりますが事実です。
仕事をまじめにたくさんする人のおかげで組織がまわり、社会がまわっています。
その人たちに感謝と尊敬の気持ちはもちろん持っていますが、次世代はそれ以外の価値も提供していかないと変わりません。
それ以外の価値を提供できるようなすごい人たちというのは、今残業して成果だして頑張っている人たちなので、その界隈の人たちが、せーのでシフトチェンジしていかないといけない段階かなと感じています。
楽しみな未来が見えてきているということですね。