富士通の45歳早期退職含む再配置を考えるブログ
富士通の45歳早期退職含む再配置を考えるブログ
富士通の組織改編ニュースが話題です。
2019年1月末に締め切った間接部門従業員の割り増し給付金付き早期退職を含めた今後のジョブ選択を45歳以上の富士通グループ全従業員に拡大する
とりわけ早期退職を45歳に拡大というのと、グループ全従業員というところが注目されています。
終身雇用で年功序列の歴史ある大企業としては思い切ったなという感じですが、オジサン詰んだなとか思わなくて、これって富士通が本気で社員のことを考えた優しさなんじゃないかなって感じました。
かつて富士通グループで働いていました
私は新卒で入社した会社が富士通グループでした。
富士通から出向、転籍してくる人も多く、本体の話もよく聞きましたが、決して悪い印象はありませんでした。
そのころ富士通成果主義なんたらという暴露本みたいなのが流行って、少しブラックなイメージがつきかけましたが、さほどでもなかったという感じです。
若かった私はもっとやりたいことができる組織へと鼻息を荒げてたったの4年でその会社を退職してしまうのですが、その富士通グループの会社自体が特にダメとかそんな風には感じませんでした。
年功序列と終身雇用のしがみつき社員の悲哀
15年前ですと、もう2000年を過ぎていますのでバブル崩壊後の就職氷河期が終わるくらいで、バリバリの事業転換期でした。
新卒の私たちも、終身雇用なんて考えはサラサラなくて、なんなら成果主義万歳で20代で海外駐在やってやるぜとガツガツしていたものです。
それでもやはり終身雇用と年功序列という仕組みは相変わらず存在していました。
段階的にかなり限られた範囲の中で、成果主義はゆるやかに広がりましたが、今なお、それこそ45歳くらいまでは、年功序列というスタイルは残っている体感です。
15年前の時点で、もはや使い物にならないダメダメオジサンが職場の片隅で置物のようにポツネンとしている姿は、悲哀以外のなにものでもありませんでした。
2回の転職、3社の大企業経験で見えたオジサンの限界
私は富士通グループを辞めた後、住友グループの企業に勤め、現在は財閥系ではないものの、グループ数万人の企業に勤務しています。
商材の差こそあれ、基本的に人事、組織構造は似たようなもので、15年経っても大幅に変化しているようには見えません。
はっきりしているのは、各社の業績です。
私が富士通グループに在籍していた時は組織としては絶好調でしたが、その後のリーマンショックと商材の転換遅れで今は別のグループになってしまいました。
住友グループは経営悪化が私の退職理由の一つでもあるので、それはそれは厳しい状況でした。
そうした業績というのはダイレクトに経営判断につながるわけで、あらゆる経費削減だとか、ボーナスカットとかになるわけです。
年齢で高額報酬を手にしたいるオジサンたちは、とにかく組織の中で居場所がないです。
バリくそに働く若者から殺意すら感じる鋭い視線を感じながらの毎日になります。
そんな人たちの生活を支えるのが日本の大企業の懐の深さであったのですが、やはり制度疲労も甚だしくて、学ばない、成長しない老害は必要ないというか邪魔になるんですね。
オジサンの転職出来ない問題の解決策になり得る早期退職
私は過去に2回の転職をしていますが、そのときに早期退職制度があればどんなに良かっただろうかと思いをはせることがあります。
何年も働いて積み重ねた信頼も、自己都合退職となるとそれだけで退職金も半分以下にカットされます。
自己都合か会社都合かで100万円とか変わってくるのです。
転職というか、会社を辞めるということのハードルになりえる一番は結局のところ当座の生活資金であって、100万円という金額はあまりにも大きいです。
半年くらいは生活できますから。
それが吹き飛ぶ自己都合退職ってどう考えてもダメダメオジサンにはリスク高過ぎます。
そして在職のままでの転職活動というのは、かなり制約がありして、時間的にも精神的にも負担を抱えながらの活動になります。
これが組織が堂々と早期退職を宣言してくれて、退職金カットどころか割増してくれてとなると狙っていた人にとっては最高すぎる環境です。
しかも早期退職ともなれば、辞めるまでの間に転職活動もやりやすいです。
あまりにも露骨には無理でも、コソコソ転職活動やるよりは、時間の都合もつけやすいでしょうし、精神的にはかなり余裕がでます。
それって実力のある人だけですよねって反論してる暇ないですよ
早期退職募集ってなると、優秀な人から抜けていって、どこにもいけない人が残るというのは自然の摂理です。
私が過去に2回転職出来たのもまだ若い年齢だったからです。40歳を超えていたらこのスキルでは大した転職は出来ませんでした。
ですから、この問題はここから数年の自分のこととしてドンピシャの話です。
そしてまさしくこんなブログで一般論書いてる暇あったら、毎日超絶努力してマーケットバリュー獲得しろやって話なんです。
私のように綺麗事なしで、儲かってる会社に勤めないと死ぬぜって思って転職してきた人や、そもそも儲かってる企業に属する人にはこの富士通のリリースはインパクトあります。
というかインパクト感じないとダメなんですよね。あくまでも「富士通さんの話」なのか、すぐ未来に自分に起きることなのか。どう受け止めるか次第で。
ある意味で富士通って、そこそこ攻めに出ていて、変わろうとしている会社なんで、今のうちから次のキャリアを考える余地を経営が与えてくれるってドライで厳しいけど、本当の意味での優しさですよね。
まとめ
私の以前の職場では、派遣社員の方や、嘱託再雇用の方に、いきなり契約解除を通告していました。
それまでずーっと「終身雇用」を打ち出していて、組織への忠誠を求めておきながら、功労者を突然ぶった切りました。
あまりの残酷さに、船が沈みきる寸前まで粘る経営体質がはっきり見えたものです。
突然切られたら翌月から何もありません。本当に突然の終わりです。
富士通半端ねぇという論調ありますが、その半端なさは残酷な半端なさだけではなくて、経営が悪者にもなりつつ、ある側面で、本気でオジサン世代を助けてあげようとする優しさに見えたのは私だけでしょうか。
ホントに人ごとではないので、マジで自分も今から毎日頑張るのみです。はい。